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アンティークスカフェ RYUJIのブログ

銭湯と富士山

なにせ一昔前の時代
昭和が大好きなもので

そんなノスタルジックな気分を味わえる

「銭湯」 を愛してやみません


DSC_4180S.jpg
玉の湯




もちろんうちにはお風呂があります

でもたまーにあの銭湯独自のマイナスイオンな湯気の香りをかぎたくなり
夕暮れの夕焼けを浴びながらベスパを走らせる

DSC_8330S.jpg




私にとって銭湯は450円で楽しめる
昭和アトラクションみたいなものだ


銭湯ってのは現代の世の中で
もっとも数多く昭和の名残を残した空間だ
次々と廃湯が続いているが
それでも必ず自分の住んでいる街に存在する
無理やり増設されたサウナや新型の蛇口など
少なからず現代的なサービスに変更されてはいるが
古い体重計やケロリン使い込まれた下駄箱など
昔とほとんど変わらない銭湯の懐かしさがそこにある




DSC_4157S_20090417090702.jpg


DSC02910S.jpg
江戸東京たてもの園に移築された子宝湯


DSC_8316S.jpg
鶴の湯

寒い冬の夜に
かじかみながら銭湯を目指す
下駄箱に靴を放り込み
木の番号札をポケットに押し込む
古い横開き扉をガラッと開き
番台のお婆さんに「こんばんは」と挨拶を交わしつつお金を渡す

適当なロッカーに衣服を脱ぎいれ
アルミでできたバンド付きの番号札を手首にくぐらせる

浴場の扉を開けると
モワッと銭湯独自の匂いが押し寄せてくる
熱いお湯にビクビクしながら少しづつ体を馴染ませ
「はぁ~」とか言いながら湯に浸かっていく
お湯に入りながら美しく描かれた「富士山」を眺め
今日一日を振り返る

ひとしきり銭湯のお湯を楽しんだ後に待つのは
お決まりの牛乳だ
今でも残る厚丸紙で封をされたガラス瓶の牛乳

木椅子に腰掛け
テーブルに置かれたレトロな徳用マッチで
タバコに火を点し至福の一服
今ではタバコは辞めてしまったが
銭湯上がりの一服がもっともおいしかった

湯冷めしないうちに
「おやすみなさい」とまた挨拶をかわし
家路につく



DSC_4150assS.jpg
天徳湯



DSC02911S.jpg
子宝湯



DSC05400S.jpg
元の湯




さて銭湯と切っては切れない関係にあるのが

浴場に描かれた
大きなペンキ絵 

「富士山」だ


どこの銭湯に行っても
必ず壮大に描かれている


DSC_4202S.jpg


その隅に製作年度と
「早川」と描かれたサインが入っている
日付は結構最近
頻繁に書きかえれらているようだ


私が住む武蔵野地域はほとんど
早川とサインが入った富士のペンキ絵ばかりだ


okarishimasu02.jpg



銭湯の富士山には
専門のペンキ絵師が存在する


そもそもペンキ絵の発祥は大正元年の現在の千代田区にあった
「キカイ湯」の当時のご主人東由松さんが、お客で来る子供達に喜んでもらうように
ということから、画家の川越広四郎に依頼して絵を描いたのがその発祥だそうです


最盛期の昭和30年代
当時、数十人いた絵師は減っていき

現在東京に残る絵師は


丸山清人さん
主な担当は杉並区、大田区、三多摩地区、千葉県、神奈川県など


早川利光さん
主な担当は台東区、荒川区、足立区、文京区、武蔵野市、千葉県、埼玉県など


中島盛夫さん
主な担当は目黒区、品川区、世田谷区、北区、三多摩地区、神奈川県、千葉県、埼玉県など



の三人
それぞれの絵師は地域が異なって受け持ちがあります


この為
私が見る銭湯の富士山のほとんどは
「早川」とサインのある武蔵野地域担当の
早川利光の富士山ばかりだったのです



早川さんの富士山を見ながら
のんびりと湯に浸かる銭湯という名の極楽



DSC_4195S.jpg



と先日
mixiの銭湯コミュニティーより

突然の訃報が飛び込んできた




訃報:早川利光師

3人の最後のペンキ絵師の一人
早川利光さんが昨日亡くなられたそうです。
ご冥福をお祈りいたします。



とある




なんと私がよく見る富士山を描く
早川利光さんが亡くなられたとのこと



なんとも廃湯でトピが上がるより悲しい出来事である


okarishimasu01.jpg





早川利光さん
心より、ご冥福をお祈り申上げます




DSC_4190S.jpg




いつまで見ることができるかわからない
もう一つの富士

銭湯に描かれた富士山


もっとも身近にある富士山を見に
みなさんも銭湯へ行きませんか?



 





                             一部の文章と画像を拝借したことをお許し下さいませ

テーマ:**暮らしを楽しむ** - ジャンル:ライフ

  1. 2009/04/17(金) 08:16:27|
  2. 銭湯
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

心地よし。

湯はいいですね~♪

銭湯と温泉は、似てるようで別物。
湯の性質はもちろんですが・・・
癒しの効果も感じ方が違いますよね。

温泉なんかは、癒されつつも興奮気味になりますが、
銭湯の場合は家風呂感覚で、ホントに安らぎます。

できればこの先もそっと続いてほしいですね。。
  1. 2009/04/23(木) 01:21:14 |
  2. URL |
  3. ネスタ #-
  4. [ 編集]

>ネスタさん

集団で一つのお風呂に入る
日本独自の文化ですね
お湯の効能はおいといて
銭湯はあの湯気の匂いをかいだだけで
なんだか癒されてしまいます
熱っっついお湯ですっかり茹で上がり
牛乳片手に休憩室でダラーンとしてる時がとっても幸せです
この日本の貴重な文化、コミュニケーションの場が
減っていくのは悲しい・・・
是非ベスパに乗って銭湯へ!w
  1. 2009/04/29(水) 11:28:51 |
  2. URL |
  3. RYUJI #mQop/nM.
  4. [ 編集]

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